マダニ予防
2013年03月02日
今年に入り、来院された方によく質問されるのが マダニ についてです。
ニュースで「マダニによって媒介される重症熱性血小板減少症候群ウイルス(SFTS)が日本でも確認された」と出ていたので気になって!
と質問される方がほとんどです。
先日私自身が受けた健康診断でも、担当の医者からマダニはこの辺でもいるの?と質問されるぐらいです。
今回は少しマダニに関して書いて行きます。
日本には60種のマダニが生息しているとされますが、犬などに寄生するのはそのうちの約20種でフタトゲチマダニやヤマトマダニなどです。
マダニは卵→幼ダニ→若ダニ→成ダニと脱皮して成長し産卵(1回に約2000個の卵を産む)します。
幼ダニ、若ダニ、成ダニ全てが吸血しますが、蚊などとは吸血様式が異なります。
蚊は「刺す」ことで吸血します。針のような口を血管に刺しそのまま血液を吸血します。なので短時間で吸血が終わります。
それに対してマダニは「咬む」ことで吸血します。直接血管へ刺すのではなく、皮膚を咬み、滲み出て来る血液を吸います。
この吸血様式の違いから吸血時間が非常に長くなり、10日近く吸血し続ける事もあります。また吸血する量も多く、1mlも吸血するものもあります。
一度吸血を始めると吸血が終わるまで離れません。無理に引き抜くとマダニの体液が逆流したり、頭部がちぎれてしまう事があります。
犬、猫の体にマダニを見つけたら動物病院を受診して下さい。人の場合は皮膚科を受診して下さい。
マダニの生息地は日本全国 沖縄から北海道までどこでも生息しています。暖かい地域の方がダニによる感染症が多く出ていますが、温暖化により年々北上して来ています。
山、森林、河川敷、公園、道端など、つまりどこにでもいます。ただし、乾燥、多湿を嫌うようです。
今回発見されたSFTSは中国では羊、ヤギ、牛、犬などでもウイルスが検出されたようですが、ほとんど無症状のようです。
人から人への感染はかなり濃密に接触しない限り難しいとされており、やはりマダニをしっかり予防する事がSFTSの予防につながるようです。
SFTS以外にもマダニが原因となる病気があります。
貧血、アレルギー、ダニ麻痺症、日本紅斑熱、ツツガムシ病、Q熱、ライム病、バベシア症などがあります。
犬、猫でのマダニ予防は1ヶ月に1度、背中に垂らす液体の薬でノミと同時に予防する事ができます。
犬、猫への負担も少なく、垂らすだけで簡単に行います。
人への感染を予防するためにも出来るだけ定期的はマダニ予防をされる事をお勧めします。
ご相談、ご質問等ありましたら、気兼無く病院までご連絡ください。
三好インター動物病院